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シューカンアカデミア
働き方9/28(月) ・ クラタ公開中

その習慣、本当に合ってる?

生産性G7最下位、
その中身は〇〇!?

日本で働く人が1時間に生み出すお金は、主要7か国でいちばん少なかった。たとえば、文化祭でクラスの売上を、みんなが店番をした時間の合計で割るようなもの。売上が少なくても、ひとりずつがサボっていたとは限らない。売る物の値段や、時間の数え方でも数字は変わる。

だれ・何を調べた?OECD(国際的な統計の集まり)が持つ、カナダ・フランス・ドイツ・イタリア・日本・英国・米国の7か国のデータ。1991年から2024年までの34年間ぶんを比べた。
何がわかった?2024年、日本が1時間で生み出すお金は59.9ドルで、7か国の中でいちばん少なかった。6位のカナダより15ドル少ない。34年間すべてで日本がいちばん少ない。たとえば、7クラスで文化祭の売上を店番の時間で割ったら、日本のクラスがいちばん少なく、しかもそれが毎年続いている、という感じです。
まだわからないことこの数字は、働き者かどうかや仕事の速さを測るものではない。計算のし直しで数字は変わり、同じ2024年の日本が59.9ドルにも60.1ドルにもなる。たとえば、売上が少ないのは、店番がなまけていたからではなく、売っている物が安いからかもしれない。この数字だけでは、どちらか分からない、ということです。
専門的に言うと(原典どおりの記録)

「日本の労働生産性は主要7か国でいちばん低い」は、OECD の生産性データベースが支持する。2024年の働く人1時間当たりの付加価値は日本 59.9ドル(購買力平価換算)で、6位のカナダ 75.3ドルとも 15ドル離れ、7か国のデータがそろう1991年から2024年までの34年間すべてで末尾。ただしこの数字は「GDP を総労働時間で割って通貨を換算したもの」で、働く人ひとりの働きぶりや勤勉さの評価ではない。円で見た日本の1時間当たりの付加価値は2015年の4,874円から2024年の5,660円へ増えている

対象
主要7か国(カナダ・フランス・ドイツ・イタリア・日本・英国・米国)の経済全体(全産業)。指標は1年の GDP を総労働時間で割り、購買力平価で米ドルに換算した当年価格の値。7か国の値がそろうのは1991年から2024年まで(ドイツの系列が1991年開始)。観測値の状態は使った値すべてが通常値(A)
効果
2024年の1時間当たり GDP は日本 59.9ドルで7か国の最小。カナダ 75.3、イタリア 80.7、英国 85.7、フランス 92.7、米国 100.1、ドイツ 100.7。6位のカナダとの差 15ドル、日本は米国の6割。1991年から2024年までの34年間すべてで日本が最小(1991年 日本 20.4/英国 22.9、2000年 29.4/カナダ 33.4、2010年 40.2/45.8、2020年 50.5/62.9)。労働時間を使わない就業者1人当たり GDP(2024年 日本 96,906ドル・米国 177,669ドル)でも、ILO の推計(2024年 日本 52.14・英国 66.54・カナダ 68.63)でも日本が末尾
限界
指標は「GDP ÷ 総労働時間」を購買力平価で換算した値で、働く人の勤勉さや能率を測っていない。分母の労働時間について OECD 自身が「時系列の比較のためのもので、ある年の水準を国どうしで比べる用途には向かない」と注記している。数値は改定・換算で動き、同じ2024年の日本が日本生産性本部の計算で 60.1ドル・38か国中28位、本話の応答で 59.9ドル・37か国中29番目、ILO で 52.14ドル。円建てでは2015年 4,874円から2024年 5,660円へ16%増(連鎖価格の前年比は2024年 −1.3%)
見立
7か国の中で日本が最小であることは、1時間当たりと就業者1人当たりの2指標、OECD と ILO の2機関で一致し、34年間の全年で確かめられた。ただしそれは「GDP を労働時間で割った数字」の順位であって、「日本人の働きぶりが悪い」「日本の職場は非効率だ」はこの統計からは言えない。なぜ低いのか、どうすれば上がるのか、個人がどう働くべきかは、この統計にない

図で読む

動画で使った図解を、クラタとミチの会話つきで。1枚ずつ読めば、要点が順に分かります。

ポイント①

図1

2024年、7か国の「1時間当たりGDP」を並べると?

2024年の1時間あたりGDPは日本が《59.9ドル》で7か国の中でいちばん低く、6位カナダの75.3ドルとの差は15ドル。
ミチ

ミチ: そもそも、GDPって何ですか?

クラタ

クラタ: 1年間に国全体で生み出した、物やサービスの値打ちの合計です。それを、みんなが働いた時間の合計で割ったものが、1時間あたりのGDPです。

ミチ

ミチ: 米ドルで比べていますけど、購買力平価というのは?

クラタ

クラタ: たとえば、同じ買い物かごが日本で何円、米国で何ドルかをそろえる換算のしかたです。為替レートだと、円安の年に日本の数字が一気に下がってしまうので、それを避けています。

ミチ

ミチ: つまり、円が安くなったり高くなったりしても、数字があまり左右されないようにしているんですね。

ポイント

2024年の1時間あたりGDPは日本が59.9ドルで7か国の中でいちばん低く、6位カナダの75.3ドルとの差は15ドル。

ポイント②

図2

日本はいつから最下位? 7か国がそろう1991年からの34年間

1991年から2024年までの〈34年間すべて〉で日本が最下位。他の国も増えるので順位は動かない。
ミチ

ミチ: 2024年だけですか?

クラタ

クラタ: いえ。1970年からの表を取りました。7か国ぜんぶの値がそろうのは、ドイツの系列が始まる1991年から。1991年から2024年まで、34年間、毎年7か国の値を並べて、日本が最小かどうかを確かめました。

ミチ

ミチ: 結果はどうでした?

クラタ

クラタ: 34年、ぜんぶ最下位です。1991年は日本20.4ドルで次が英国22.9ドル。2010年は40.2と45.8。2024年が59.9と75.3。

ミチ

ミチ: 日本も増えてはいるんですね。20ドルから60ドルで、3倍近く。

ポイント

1991年から2024年までの34年間すべてで日本が最下位。他の国も増えるので順位は動かない。

図3

円で見ると、日本の1時間当たりGDPは?

円で見た1時間あたりGDPは2015年4,874円→2024年5,660円(16%増)。〈1年ごとに見ると、増えた年も減った年もある〉。
クラタ

クラタ: 円で見てみましょう。同じデータベースの、円で見た1時間当たりGDPです。2015年4,874円。2019年5,080円。2022年5,313円。2023年5,554円。2024年5,660円。

ミチ

ミチ: 増えていますね。

クラタ

クラタ: 2015年から2024年で、16%増えました。これは2015年と2024年、2つの年を比べただけの数字です。

ミチ

ミチ: 2つの年を比べるのと、1年ごとに比べるのとでは、話が変わるんですか?

クラタ

クラタ: 変わります。物価が上がった分を除いて、1年ごとに前の年と比べると、増えた年も減った年もあります。例えば2024年はマイナス1.3%で、前の年より実質で減った、という意味です。2021年はプラス2.7%、2023年はほぼ0でした。

ポイント

円で見た1時間あたりGDPは2015年4,874円→2024年5,660円(16%増)。1年ごとに見ると、増えた年も減った年もある。

ポイント③

図4

分母を「労働時間」から「頭数」に変えても末尾?

就業者1人当たりGDP(2024年)でも日本は9万7千ドルで7か国の末尾。〈労働時間の注記があっても順位は変わらない〉。
ミチ

ミチ: GDPを労働時間で割っていますよね。国によって労働時間の測り方が違ったら、答えも変わりませんか?

クラタ

クラタ: 鋭いですね。だから番組は、労働時間を使わない指標も見ました。就業者1人当たりのGDP。働く人の頭数で割ったものです。

ミチ

ミチ: それだとどうなりますか?

クラタ

クラタ: 2024年、米国17万8千ドル、フランス14万ドル、イタリア13万8千ドル、ドイツ13万4千ドル、英国13万ドル、カナダ12万8千ドル、日本9万7千ドル。日本は米国の55%で、やはり7か国の末尾です。

ミチ

ミチ: 分母を変えても、最下位のままなんですね。

ポイント

就業者1人当たりGDP(2024年)でも日本は9万7千ドルで7か国の末尾。労働時間の注記があっても順位は変わらない。

図5

分母の労働時間は、日本だけ極端?

日本の年間労働時間は《1,617時間》で7か国の真ん中。OECD自身の注記どおり、労働時間の国際比較は幅を持って読む。
クラタ

クラタ: 毎回、平均のかげに隠れている人はいませんか、と言っていますが、今日は作った人自身の注意書きがあります。OECDの労働時間のデータには、こう書いてあります。ある年の数字を国どうしで比べる用途には向かない、と。

ミチ

ミチ: 国どうしを比べる用途には向かない、というのは、どういうことですか?

クラタ

クラタ: 国ごとに、労働時間を調べる方法がちがうからです。実際の労働時間は、日本1,617時間で7か国の真ん中。ドイツが1,334時間でいちばん短く、イタリアが1,715時間でいちばん長い。

ミチ

ミチ: 1時間あたりだと、ドイツと米国がほぼ同じ100ドルでした。でも頭数だと米国が飛び抜けていましたよね。

クラタ

クラタ: 米国はドイツより1人が370時間ほど長く働くので、頭数で割ると差が開くんです。同じ国でも、分母を変えると差の大きさが変わります。順位は変わらなくても、何倍かは「時間で割るか、頭数で割るか」しだいです。

ポイント

日本の年間労働時間は1,617時間で7か国の真ん中。OECD自身の注記どおり、労働時間の国際比較は幅を持って読む。

まとめ(つまり、どう考える?)

7か国の中で日本がいちばん少ないことは確かだった。ただし、なぜ少ないのか、どうすれば増えるのかは、この数字には書かれていない。

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「日本の労働生産性は先進7か国で最下位」を1970年からの表で数えたら、34年間ぜんぶ末尾だった。ただしその数字は「働きぶり」ではない

「日本の労働生産性は、主要7か国でいちばん低い」。日本生産性本部が2025年12月に出した「労働生産性の国際比較2025」は、「主要先進 7 カ国でみると最も低い状況が続いている」と書き、毎年12月に報道が続く。番組は、その元になった OECD の生産性データベースを直接開いた。

指標は「GDP per hour worked」。1年の GDP を、その国で働いた総時間で割り、購買力平価で米ドルに換算したものだ。2024年の7か国は、ドイツ 100.7ドル、米国 100.1ドル、フランス 92.7ドル、英国 85.7ドル、イタリア 80.7ドル、カナダ 75.3ドル、日本 59.9ドル。日本は末尾で、6位のカナダとも 15ドル離れている。7か国の値がそろう1991年から2024年まで、34年間の毎年について並べ直しても、日本はすべての年で最小だった。労働時間を使わない就業者1人当たりの GDP でも、別の機関である ILO の推計でも、順位は同じである。

ここまでは命題のとおりだ。番組が確かめたのは、その数字が何を測っているかである。分子の GDP は、物価と産業の構成と設備、そして米ドルへの換算係数で決まる。同じ仕事を同じ時間しても、売れる値段が安ければ分子は小さい。円建てで見ると、日本の1時間当たり GDP は2015年の 4,874円から2024年の 5,660円へ 16% 増えている。「低い」は水準の比較であって、「下がり続けている」ではない。ただし物価の分を除いた前年比は2024年がマイナス1.3% で、直近1年は実質で減った。

分母の労働時間には、OECD 自身の注意書きがある。「時系列の比較のためのもので、ある年の水準を国どうしで比べる用途には向かない。出典が国ごとに違うため」。日本の年間労働時間は 1,617時間で7か国の真ん中にあり、分母を頭数に変えても日本は末尾なので、順位はこの注記で覆らない。覆るのは「何ドル差か」の桁だ。

数字は改定でも動く。生産性本部は2024年の日本を 60.1ドル・38か国中28位と書いたが、番組が2026年9月に取った応答では 59.9ドル・値のある37か国中29番目だった。生産性本部自身が「OECD の改定に伴い数値を過去に遡及して改定した」と注記している。日本のすぐ下は韓国 59.4ドルで、差は 0.5ドル。この桁の順位は、次の改定で入れ替わってもおかしくない。

判定は支持。日本の1時間当たり GDP は、購買力平価で換算して主要7か国の中で最小で、34年間その順位は動いていない。ただしそれは「GDP を労働時間で割った数字」で、働く人の勤勉さや能率の点数ではない。なぜ低いのか、どうすれば上がるのか、あなたはどう働くべきかは、この統計にはない。

出典・研究の限界・ライセンス表示

この回の一次データは公的統計です。学術論文の論文カードはありません。

出典表示(ライセンス表示義務)

この回が使った一次情報の利用条件が求める4項目を、出典ごとに全件出しています(3件)。

データカード: 1-2. データカード(一次情報・主たる評価対象=判定の主柱)

著者
OECD(経済協力開発機構)統計・データ局。各国の国民経済計算(GDP)と労働時間統計から OECD が算出したもの
出典
OECD「Productivity database」(データフロー DSD_PDB@DF_PDB 2.0、OECD.SDD.TPS)。指標 GDPHRS=「GDP per hour worked」(働く人1時間当たりの GDP)、単位 USD_PPP_H=「US dollars per hour, PPP converted」、価格基準 V=「Current prices」、変換 N=「Non transformed data」、換算 PPP=「PPP converted」。あわせて GDPEMP=「GDP per person employed」(就業者1人当たり・USD_PPP_PS)、HRSAV=就業者1人当たり年間労働時間(H_PS)、円建ての XDC_H(「National currency per hour」)と連鎖価格の前年比(L・GY)を同じ問い合わせで取得した/https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.SDD.TPS,DSD_PDB@DF_PDB,2.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN.A.GDPHRS._T.USD_PPP_H.V.N._Z.PPP?startPeriod=1970&format=csvfilewithlabels (2026-09-22 08:58 JST・HTTP 200・106,376 バイト・330行。全加盟国・全指標の問い合わせは §1-3 #2〜#4)
ライセンス
OECD Terms and Conditions(2024年7月1日改定)「3. Data – Permitted Use」([引用]・第13話で本文を転記済み)「you can extract from, download, copy, adapt, print, distribute, share and embed Data for any purpose, even for commercial use. You must give appropriate credit to the OECD by using the citation associated with the relevant Data」。商用利用可・出典表記義務。規約ページ自体は本日も curl で 403(第13話・第17話と同じ。アプリ内ブラウザでは 200 だった実績あり)
改変の有無
この回の図解は、原典の図の複製ではなく、原典の表から転記した数値をもとに当方が作図した(転記元: OECD「Productivity database」(https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.SDD.TPS,DSD_PDB@DF_PDB,2.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN.A.GDPHRS._T.USD_PPP_H.V.N._Z.PPP?startPeriod=1970&format=csvfilewithlabels ・2026-09-22 に利用)「GDP per hour worked」の2024年の値を小数第1位に丸めて ReeX Japan が作成)。

データカード: 第2の一次情報(ILO・R1/R2 の照合用・図には使わない)

著者
原本のカードに著者欄が無い(機関名は出典欄に入る)
出典
ILO「Output per hour worked, GDP constant 2021 international $ at PPP -- ILO modelled estimates, Nov. 2025」(データフロー DF_GDP_2HRW_NOC_NB・指標 GDP_2HRW_NB・SOURCE=「ILO - Modelled Estimates」)/https://sdmx.ilo.org/rest/data/ILO,DF_GDP_2HRW_NOC_NB,1.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN..?startPeriod=2019&format=csv (2026-09-22 08:54 JST・HTTP 200・6,415 バイト)
ライセンス
未確認。ILOSTAT の「Copyright and permissions」ページ(https://ilostat.ilo.org/about/copyright-and-permissions/ )は curl・WebFetch とも HTTP 403 で本文を読めなかった。SDMX の構造定義にもライセンスの記述が無い。取れることと使ってよいことは別なので、本話では図に使わず、台本と本文で「ILO の推計でも順位は同じ」と引用するに留める
改変の有無
取れることと使ってよいことは別なので、本話では図に使わず、台本と本文で「ILO の推計でも順位は同じ」と引用するに留める。

データカード: 命題の出所(日本生産性本部・L4・[引用])

著者
原本のカードに著者欄が無い(機関名は出典欄に入る)
出典
https://www.jpc-net.jp/research/detail/007846.html (2026-09-22 08:55 JST・HTTP 200)/プレスリリース https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/press2025.pdf (HTTP 200・302,923 バイト)/サマリー https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/summary2025.pdf (HTTP 200・1,175,629 バイト)
ライセンス
サイト下部に「© COPYRIGHT JAPAN PRODUCTIVITY CENTER. ALL RIGHTS RESERVED.」。引用の範囲でのみ使い、図・数値の転載はしない(本話の図はすべて OECD の値で作る)
改変の有無
引用の範囲でのみ使い、図・数値の転載はしない(本話の図はすべて OECD の値で作る)。

原本の出典表記(読み上げ・画面表示用の文言)

  • OECD「Productivity database」(2026年9月22日に利用)「GDP per hour worked」「GDP per person employed」「Average hours worked per person employed」の値を抜粋して ReeX Japan が作成
  • ILO「Output per hour worked(ILO modelled estimates, Nov. 2025)」(2026年9月22日に利用・引用のみ)
  • 日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025」(命題の出所・引用のみ)
検証の記録(常識検証プロトコル v1.0)
命題化テスト(T1〜T5)
#テスト結果
T1「Xすると Y になる」に書き直せるか通過。「日本の労働生産性(働く人1時間当たりの付加価値)は、主要7か国(G7)の中でいちばん低い」(X=日本の経済全体、Y=7か国の中で1時間当たりの付加価値が最小)。世間の言い方「労働生産性が低い」は指標が曖昧なため、「働く人1時間当たりの付加価値(購買力平価で換算した米ドル)」に固定した
T2Y が観測できる形か通過。OECD が各国の国民経済計算と労働時間統計から「GDP per hour worked」を毎年算出し、データベースで公開している
T3一次データ源が存在しそうか通過。OECD 生産性データベース(SDMX API・CSV)と、ILO の「Output per hour worked」(SDMX API・CSV)。いずれも機械取得できた(§1-3)
T4どちらに転んでも番組になるか通過。支持なら「本当に最下位だった。では、その数字は何を測っていて、何を測っていないのか」の回。不支持なら「最下位ではなかった。では誰が最下位で、日本はどこにいるのか」の回
T5YMYL 該当か非該当(健康・医療・金銭・法律のいずれでもない)。ただし金銭に隣接するため、投資・資産形成の話には触れず、個人の働き方への助言もしない
証拠台帳
#階層種別出典名URL取得日時(JST)HTTP取得方法再利用条件採否用途
1L1国際機関の統計OECD「Productivity database」GDP per hour worked(主要7か国・1970年以降・当年価格 PPP・CSV 330行)https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.SDD.TPS,DSD_PDB@DF_PDB,2.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN.A.GDPHRS._T.USD_PPP_H.V.N._Z.PPP?startPeriod=1970&format=csvfilewithlabels2026-09-22 08:58200curl → Python csvOECD Terms and Conditions(商用利用可・出典表記義務)採用判定の主柱1。2024年の7か国の値と、1991〜2024年の全年で日本が最小であることの確認
2L1国際機関の統計同データベース・主要7か国の GDPHRS と GDPEMP・全単位・2019年以降(CSV 656行)https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.SDD.TPS,DSD_PDB@DF_PDB,2.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN.A.GDPHRS+GDPEMP._T.....?startPeriod=2019&format=csvfilewithlabels08:53200同上同上採用2023年・2024年の値。就業者1人当たり
3L1国際機関の統計同データベース・全ての国と地域の GDPHRS・GDPEMP(当年価格 PPP・全年・CSV 3,389行)https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.SDD.TPS,DSD_PDB@DF_PDB,2.0/.A.GDPHRS+GDPEMP._T.USD_PPP_H+USD_PPP_PS.V.N._Z.PPP?format=csvfilewithlabels08:53200同上同上採用OECD 加盟国の中での日本の位置(番組の計算)
4L1国際機関の統計同データベース・主要7か国と OECD の GDPHRS・HRSAV・GDPEMP・全単位・2015年以降(CSV)https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.SDD.TPS,DSD_PDB@DF_PDB,2.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN+OECD.A.GDPHRS+HRSAV+GDPEMP._T.......?startPeriod=2015&format=csvfilewithlabels08:57200同上同上採用年間労働時間・円建ての値・連鎖価格の前年比
5L1国際機関の統計の定義OECD「Productivity database」データフロー定義(コード表 CL_MEASURE_PROD・次元の並び)https://sdmx.oecd.org/public/rest/dataflow/OECD.SDD.TPS/DSD_PDB@DF_PDB/latest?references=all08:52200curl → XML同上採用指標名・単位名の転記(「GDP per hour worked」「US dollars per hour, PPP converted」等)
6L1国際機関の統計の定義OECD「Average annual hours actually worked per worker」データフロー定義(作成者注記)https://sdmx.oecd.org/public/rest/dataflow/OECD.ELS.SAE/DSD_HW@DF_AVG_ANN_HRS_WKD/latest?references=all08:56200curl → XML同上採用R4。「水準の国際比較には向かない」の注記
7L1国際機関の推計ILO「Output per hour worked, GDP constant 2021 international $ at PPP -- ILO modelled estimates, Nov. 2025」主要7か国・2019年以降https://sdmx.ilo.org/rest/data/ILO,DF_GDP_2HRW_NOC_NB,1.0/JPN+USA+DEU+FRA+GBR+ITA+CAN..?startPeriod=2019&format=csv08:54200curl → Python csv未確認(ILOSTAT の規約ページが 403)採用(R1・R2 の照合と引用のみ・図には使わない)別の機関の別の換算でも日本が7か国の末尾かの確認
8L4業界団体の報告書(命題の出所)日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025」(Web ページ・プレスリリース PDF・サマリー PDF)https://www.jpc-net.jp/research/detail/007846.html08:55200(3件とも)curl → pdftotext© ALL RIGHTS RESERVED(引用のみ)採用(出所)命題の出所。「主要先進7カ国で最も低い」の文言と、改定の注記
9―業界団体の Web ページ日本生産性本部「労働生産性の国際比較」一覧(2011〜2025年版の目次)https://www.jpc-net.jp/research/list/comparison.html08:55200curl同上不採用(所在確認のみ)2024年版の URL(detail/007393.html)は 404 で、一覧から 2025年版へ辿った
10L1国際機関の規約OECD「Terms & Conditions」(2024年7月1日改定)https://www.oecd.org/en/about/terms-conditions.html08:59403(curl)取得不可。第13話(2026-09-11・アプリ内ブラウザで200)の転記を再利用(規約そのもの)採用(条件確認・既確認)「Permitted Use」の根拠
11―国際機関の規約ILOSTAT「Copyright and permissions」https://ilostat.ilo.org/about/copyright-and-permissions/08:54403(curl・WebFetch)取得不可(規約そのもの)不採用(読めなかった)#7 の再利用条件が未確認である理由
反証チェック(R1〜R7)
#探す対象探した範囲と結果
R1反対の結論の一次研究OECD のデータベース(#1〜#4)で、1時間当たり(当年価格 PPP)・就業者1人当たり(同)の両方について 2023年・2024年の7か国の値を読み、日本より小さい値が無いことを確かめた。別の機関(ILO・#7・2021年基準の国際ドル・推計)でも 2019年〜2024年の各年で日本が7か国の最小。日本より下に G7 の国を置く公的な統計は本話で見つけていない。出なかった
R2より新しい/より大きい研究①OECD の最新年(2024年)で確認済み。2025年の値は7か国そろわず(米国は推計値)採らない。②命題の出所(日本生産性本部・2025年12月)は 2024年の日本を 60.1ドル・38か国中28位とし、本話の応答は 59.9ドル・37か国中29番目。同本部の注記どおり OECD が数値を遡及改定するため、水準と順位は改定で動く(2023年は本話の応答でも 26番目→2024年 29番目と、1年で順位が3つ動いている)。③ILO の推計は OECD より低い値(日本 52.14)だが順位は同じ。順位を覆す数字は出なかった。「数字そのものは改定・換算で動く」ところまで
R3撤回・取消・行政処分OECD の応答の OBS_STATUS は使った値がすべて A(Normal value)で、P(Provisional)・U(Low reliability)は無い。日本生産性本部の注記にある「遡及改定」は撤回ではなく定期の改定。無し
R4測っていた指標のすり替えあり(本話の主題)。①命題の「労働生産性が低い」を世間は「日本人の働きぶりが悪い」と読みがちだが、指標は「GDP ÷ 総労働時間」を購買力平価で米ドルに換算した値で、個人の勤勉さ・能率を測っていない。分子(GDP)は物価・産業構成・設備・為替換算の影響を受ける。②分母の労働時間について、OECD 自身が「時系列の比較のためのもので、ある年の水準を国どうしで比べる用途には向かない」と注記している(#6)。ただし労働時間を使わない就業者1人当たりの値でも日本は7か国の末尾なので、「最下位」という順位はこの注記だけでは覆らない。③円建てで見ると日本の1時間当たり GDP は 2015年 4,874円 → 2024年 5,660円 と増えており、「低い」は水準の比較であって「下がっている」ではない。連鎖価格の前年比は 2024年 −1.3% で、直近1年は実質で減っている
R5資金源OECD は加盟国政府の拠出で運営される国際機関、ILO は国連の専門機関で、結論の利害関係者は見当たらない。命題の出所である日本生産性本部は「生産性向上」を掲げる公益財団法人で、生産性の低さを強調する動機がありうる(L4 として扱い、根拠にしていない)。根拠側には無し
R6母集団のズれあり。指標は経済全体の平均で、正社員・パート・自営業を含む全就業者の総労働時間で割っている。特定の職種・企業・個人の生産性はこの数字から分からない。また、視聴者が想像する「自分の仕事の能率」と、国民経済計算の「付加価値」は別物
R7生存者バイアス/出版バイアス労働時間の統計に記録されない労働(申告されない残業など)があれば分母が小さくなり、1時間当たりの値は高く出る方向に働く(低く出る方向ではない)。どの国でどれだけ記録漏れがあるかは統計に書いていない。仮説として記録
判定理由

判定: 支持

理由(3つ):

  1. 命題の出所(日本生産性本部)が使ったのと同じ OECD のデータベースを原典で開き、2024年の1時間当たり GDP(購買力平価換算)が日本 59.9ドルで7か国の最小、6位のカナダ 75.3ドルとの差 15ドルであることを確かめた。証拠の階層は L1(国際機関が各国の国民経済計算から算出した統計)
  2. 1991年から2024年まで7か国の値がそろう34年間すべてで日本が最小であることを、応答の全年について機械で確かめた。労働時間を使わない就業者1人当たりの値(2024年 日本 96,906ドル)でも日本が最小で、別の機関(ILO)の別の換算でも順位は同じ。R1〜R7 を通しても順位を覆す記録は出なかった
  3. 反証側で出たのは「数字は改定・換算で動く」「労働時間の国際比較には作成者自身の注意書きがある」までで、いずれも「7か国の中で最小」という順位を動かしていない

支持の範囲(必ず添える限界):

  • 支持したのは「1時間当たりの GDP を購買力平価で換算した値が、主要7か国の中で最小」まで。「日本人の働きぶりが悪い」「日本の職場は非効率だ」は、この統計からは言えない(R4)
  • 数字そのものは改定・換算で動く。同じ2024年の日本が、日本生産性本部の計算で 60.1ドル・38か国中28位、本話の応答で 59.9ドル・37か国中29番目、ILO の推計で 52.14ドル
  • 分母の労働時間について OECD 自身が「水準の国際比較には向かない」と注記している(#6)。順位は就業者1人当たりでも同じなので結論は変わらないが、「何ドル差」の桁は幅を持って読む
  • 円建てでは 2015年から2024年で 16% 増えている。「低い」は水準の比較で、「下がり続けている」ではない

不支持ではない理由: 反証側に L1/L2 の「日本より低い G7 の国がある」という記録は無い。R4 の指摘は「指標の意味の限定」であり、順位を示してはいない。

保留にしない理由: 支持側の証拠は L1 で、2つの指標(1時間当たり・就業者1人当たり)と2つの機関(OECD・ILO)で同じ順位。母集団は命題の主語「日本」の経済全体そのもので、ずれが無い。

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生産性G7最下位、その中身は〇〇!? | シューカンアカデミア