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シューカンアカデミア
働き方10/5(月) ・ クラタ公開中

その習慣、本当に合ってる?

在宅勤務の成果、
決め手は〇〇だった!?

家で働くと仕事の成果が下がるかは、やり方で変わり、一つには決まらない。週2日の在宅なら評価は下がらず、準備なしの在宅では自分の評価が下がった。たとえば、週2日の家庭学習なら成績は変わらないが、急に毎日家で勉強しろと言われると調子がくずれる、というようなもの。

だれ・何を調べた?中国の旅行会社で働く1,612人を、誕生日のくじで2つに分けた実験。週2日の在宅グループと、週5日出社のグループを2年間比べた。日本の製造業4社・22,815人の調査もあわせて見た。
何がわかった?2年間・4回の人事評価に差はなかった。辞めた人は出社側7.20%、在宅側4.80%で3分の1減った。一方、日本の4社では在宅の日数が多い人ほど自己評価の生産性が下がった。たとえば、週2日だけ家で勉強したクラスは、成績はふつうのクラスと同じで、途中でやめる子は減った、という感じです。
まだわからないこと実験は1つの会社・週2日の在宅だけを調べたもの。もっと在宅が多いとどうなるかは分からない。日本の調査は自己評価で、準備が整う前の時期だった。たとえば、週2日の家庭学習を1つの学校で試しただけなので、毎日家で勉強したらどうなるかは分からない、ということです。
専門的に言うと(原典どおりの記録)

「テレワークにすると仕事の成果が下がる」は判定保留。週2日の在宅勤務をくじで割り振った1,612人の実験(2024年)では、2年間の人事評価も昇進も変わらず、辞める人は3分の1減った。一方、2020年の緊急事態宣言のもとの日本の製造業4社(22,815人)では、在宅の日数が多い人ほど、自分で答えた生産性が下がった。37本の研究をまとめたレビュー(2022年)では、コロナ前の24本中19本が「上がった」、コロナ下の13本中5本が「下がった」。下がるかどうかは在宅のやり方で変わり、テレワーク全体について一言では決まらない

対象
主柱は中国の旅行サイトの大企業の大卒の従業員1,612人(管理職395人)。誕生日が奇数の人を週2日(水・金)在宅・週3日出社に、偶数の人を週5日出社に割り付けたランダム化比較試験(2021年8月から6か月)。補助は日本の製造業4社の22,815人(2020年4〜6月の従業員調査)と、在宅勤務と生産性の研究37本の系統的レビュー
効果
週2日在宅の群と週5日出社の群で、2年間・4回の人事評価に差が無く(同等性の検定で ±0.5 より小さい)、昇進・評価の9細目・エンジニア653人のプログラムの行数にも差が無かった。離職率は7.20%から4.80%へ3分の1減った。一方、日本の4社では在宅の日数が多い人ほど生産性の自己評価が下がった。レビューではコロナ前の24本中19本が「上がった」、コロナ下の13本中5本が「下がった」
限界
主柱は1社・1国の、週2日在宅の形だけの実験で、著者の1人が会社の共同創業者・会長。週1日以下の出社に当てはまるかは著者も分からないと書く。日本の4社は準備なしの緊急事態宣言下で、生産性は本人の自己評価(前の値は思い出し)。「生産性」の中身は研究ごとに違う。完全在宅をくじで割り振った研究の原典には当たれていない
見立
週2日の在宅なら人事評価は下がらず、準備なしの全日の在宅では自己評価が下がった。研究をまとめても、選べる在宅と強制の在宅で向きが割れる。「テレワーク」という一つの言葉に違う働き方が入っており、一言では決まらない。日本でテレワークをしたことがある雇用者は25.2%で、情報通信業74.1%から宿泊業・飲食業6.0%まで業種で大きく違う。テレワークにすべきか、出社に戻すべきかは、この記録には書かれていない

図で読む

動画で使った図解を、クラタとミチの会話つきで。1枚ずつ読めば、要点が順に分かります。

ポイント①

図1

在宅勤務の成果を、どうやって比べたか?

1,612人を誕生日の奇数・偶数で分け、片方は水曜と金曜に在宅、もう片方は週5日出社。〈誕生日は仕事の出来と関係ない〉ので、くじ引きの代わりになる。
ミチ

ミチ: 誕生日で2つに分けるって、なんだか、くじ引きみたいですね。

クラタ

クラタ: そのとおりです。たとえば、出席番号の奇数・偶数で分けるのと同じで、仕事ができるかどうかと誕生日は関係ありません。だから始まる前の2つのグループはそっくりになります。

ミチ

ミチ: あ、だから後で差が出たら、それは在宅のせいだって言えるんですね。

クラタ

クラタ: そのとおりです。1,612人のうち管理職は395人。誕生日が奇数の日(1日・3日・5日など)の人は水曜と金曜に在宅、残りの3日は出社でした。

ポイント

1,612人を誕生日の奇数・偶数で分け、片方は水曜と金曜に在宅、もう片方は週5日出社。誕生日は仕事の出来と関係ないので、くじ引きの代わりになる。

ポイント②

図2

週2日の在宅で、評価と辞めた人はどう変わったか?

2年間・4回の人事評価は差がなく、差は評価の半段階より小さい。離職率は7.20%から《4.80%》へ、3分の1減った。
ミチ

ミチ: 評価に差が無かったって、たまたま見えなかっただけじゃないんですか?

クラタ

クラタ: いい質問です。同等性の検定という方法を使っています。言い直すと、差があったとしても、決めた幅より小さいかを確かめる方法です。会社の評価はA・B・Cのような5段階で、決めた幅はその半分の0.5ポイントです。

ミチ

ミチ: つまり、少しずれていても、半段階より小さいと確かめたんですね。

クラタ

クラタ: そのとおりです。4回とも差は半段階より小さかった。辞めた人は出社の側7.20%、在宅の側4.80%で、3分の1減りました。

ポイント

2年間・4回の人事評価は差がなく、差は評価の半段階より小さい。離職率は7.20%から4.80%へ、3分の1減った。

図3

日本の4社では、在宅で生産性はどうだったか?

2020年4〜6月の製造業4社・22,815人では、在宅の日数が多い人ほど自己評価の生産性が下がった。理由は〈家の環境と連絡の難しさ〉。
クラタ

クラタ: 緊急事態宣言で、準備もないまま急に在宅になった時期です。前と後で、自分の仕事の出来を0から10点で答えてもらうと、在宅の日数が多い人ほど、点数が下がっていました。4社とも同じ向きです。

ミチ

ミチ: やっぱり下がってるじゃないですか。

クラタ

クラタ: 下がった理由も聞いています。いちばん効いていたのは、家の環境が整っていないこと。机や回線、資料が取り出せないことです。それから、職場やお客さんとの連絡の難しさです。

ミチ

ミチ: あ、テレワークそのものじゃなくて、準備の問題だったんですね。

ポイント

2020年4〜6月の製造業4社・22,815人では、在宅の日数が多い人ほど自己評価の生産性が下がった。理由は家の環境と連絡の難しさ。

ポイント③

図4

研究をまとめると、向きはそろうか?

コロナ前は《24本中19本》が「上がった」、コロナ下は13本中5本が「下がった」。選べる在宅か、強制の全日の在宅かで向きが割れる。
クラタ

クラタ: 2022年のレビューが、在宅と生産性の研究を37本まとめました。コロナ前は24本中19本が上がり、コロナの最中は13本中5本が下がりました。

ミチ

ミチ: 真逆じゃないですか。

クラタ

クラタ: 「在宅」の中身が違うからです。コロナの前は、自分で選べる在宅が中心でした。コロナの最中は、政府の要請で強制された、全日の在宅です。

ミチ

ミチ: 選べるか、強制か、で結果が変わるんですね。

クラタ

クラタ: そのとおりです。数え方にも注意が必要です。コロナの前に「下がった」とした研究が何本かは、レビューの本文にも数字が書かれていません。分からない数は、言わずにおきます。

ポイント

コロナ前は24本中19本が「上がった」、コロナ下は13本中5本が「下がった」。選べる在宅か、強制の全日の在宅かで向きが割れる。

図5

日本では、誰がテレワークをしているか?

テレワークをしたことがある雇用者は《25.2%》。情報通信業74.1%から宿泊業・飲食業6.0%まで、業種で大きく違う。
クラタ

クラタ: 雇われて働く人のうち、これまでテレワークをしたことがある人は25.2%。約4人に1人です。直近1年間にした人は16.8%で、約6人に1人。

ミチ

ミチ: 思ったより少ないですね。みんな家で働いてるイメージでした。

クラタ

クラタ: 業種で大きく違います。情報通信業は74.1%で、4人に3人ほど。宿泊業・飲食業は6.0%、医療・福祉は6.4%です。

ミチ

ミチ: そもそも、家でできない仕事も多いんですね。

ポイント

テレワークをしたことがある雇用者は25.2%。情報通信業74.1%から宿泊業・飲食業6.0%まで、業種で大きく違う。

まとめ(つまり、どう考える?)

在宅のやり方(日数・準備の有無)によって結果は変わる。テレワーク全体を一言で「下がる」とは言えない。出社にすべきかは、この記録には書かれていない。

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テレワークで仕事の成果は下がるのか。週2日の在宅では評価は変わらず、準備なしの在宅では下がった

今回の命題は 「テレワーク(在宅勤務)をすると、仕事の成果(生産性)が、出社して働く場合より下がる」 です。IT の会社のコラムには「なぜテレワークで生産性が下がるのか?」という見出しがあります。会社の記事は根拠にせず、実験と研究の記録で確かめました。

主な根拠は、2024年に科学の雑誌に載ったランダム化比較試験です。中国の旅行サイトの大きな会社で、大卒の従業員 1,612人 を、誕生日が奇数か偶数かで2つに分けました。片方は水曜と金曜に在宅ができて残りの3日は出社、もう片方は週5日出社です。期間は2021年8月から半年でした。

結果、実験の始まりから2年間・4回の人事評価で、両者に差はありませんでした。差があっても評価の半段階より小さいことを確かめる検定も、4回とも通っています。昇進と、エンジニア653人のプログラムの行数にも差は見られません。一方で、半年で辞めた人は出社の側 7.20%、在宅の側 4.80% で、3分の1減りました。管理職の見込みは、実験の前のマイナス2.6%から、あとのプラス1.0%に変わっています。

ただし、この実験は1社・1国で、調べたのは週2日在宅の形だけです。著者の1人は会社の共同創業者で会長でもあります。著者自身、完全な在宅を扱った研究では、生産性におおむね悪い影響が見つかってきたと書いています。

日本では、2020年4〜6月の緊急事態宣言のもとで、製造業4社の 22,815人 に聞いた研究があります。在宅の日数が多い人ほど、自分で付けた仕事の出来の点数が下がりました。理由として大きかったのは、家の環境が整っていないことと、職場やお客さんとの連絡の難しさです。点数は自己評価で、前の点数は思い出したものです。

37本の研究をまとめた2022年のレビューでは、選べる在宅が中心のコロナ前は 24本中19本 が「上がった」。強制の全日の在宅だったコロナの最中は 13本中5本 が「下がった」でした。

国土交通省の令和7年度の調査では、雇われて働く人のうちテレワークをしたことがある人は 25.2%。情報通信業の74.1%から宿泊業・飲食業の6.0%まで、業種で大きく違います。

判定は保留です。 週2日の在宅なら評価は下がらず、準備なしの全日の在宅では自己評価が下がりました。「テレワーク」という一つの言葉に違う働き方が入っており、一言では決まりません。テレワークにすべきか、出社に戻すべきかは、この記録には書かれていません。

出典: Bloom N ほか (2024) Nature 630(8018):920-925(CC BY 4.0)、Hackney A ほか (2022) PLOS ONE 17(10):e0274728(CC BY 4.0)、Kitagawa R ほか (2021) PLOS ONE 16(12):e0261761(CC BY 4.0)、国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査」(いずれも2026年9月28日に利用)を加工して ReeX Japan が作成(要約・抜粋・和訳)。

出典・研究の限界・ライセンス表示

仕事の成果(本文「Employee performance and promotions」「Null results」節・[引用])

項目値
人事評価(2021年7〜12月、2022年1〜6月、2022年7〜12月、2023年1〜6月の4回)どの回もハイブリッド群と対照群に差が無かった。同等性の検定(差が評価の半段階 ±0.5 を超えないかを調べる検定)で、4回とも「差は ±0.5 より小さい」ことが確かめられた(4回とも P < 0.001)。著者は「実際に差が無い」と解釈
昇進差がある証拠は無かった。ただし同等性の検定(±2ポイント)は4回中2回しか通らず、著者は「差がある証拠は無い」とだけ書く
人事評価の9つの細目4回とも差がある証拠は無かった
プログラムの行数(エンジニア 653人)差が無かった(同等性の検定・1日29行=対照群の平均の10%を基準に、P = 0.003)
管理職・女性・子どもがいる人・通勤が長い人などの小集団評価・昇進とも、どの小集団でも違いは見つからなかった

離職と満足度(本文「Effects on employee retention」節・[引用])

項目対照群(週5日出社)ハイブリッド群(週2日在宅)
実験期間中の離職率7.20%4.80%(3分の1(33%)の減少・P = 0.043)
仕事の満足度(0〜10点)7.848.19(P < 0.001)

生産性への影響の本人の見込み(本文「Self-assessed productivity」節・[引用])

項目実験前実験後
管理職(395人)−2.6%+1.0%
非管理職+0.7%+1.62%

著者の結論(本文 Discussion): 「contrary to the previous causal research focused on fully remote work, which found mostly negative effects on productivity, hybrid remote work can leave performance unchanged」(完全在宅を扱ったこれまでの因果研究は生産性へのおおむね負の影響を見つけてきたが、それと違い、ハイブリッドの在宅は成果を変えずに済みうる)。

著者自身が挙げた限界

  1. 1社・1国の実験である。 原文は「The experiment was conducted in a Chinese technology firm based in Shanghai」。ほかの状況で完全に再現できるとは限らないと書く。
  2. 週3日出社・週2日在宅の型だけを調べた。 原文は「our findings might not replicate to all other hybrid work arrangements」。出社が週1日以下のような、より在宅の多い型に当てはまるかは分からないと書き、完全在宅での教育・革新・組織の文化の難しさを理由に挙げる。
  3. 人事評価は完全な物差しではない。 原文は「Although these reviews are not perfect」。ただし給与と昇進に直結するので、上司も本人も手間をかけて付けていると書く。
  4. 希望者だけにすると結果が偏るおそれ。 女性は希望して参加する割合が低かったと書き、全員を対象にすることの大切さを挙げる。

出典表示(ライセンス表示義務)

この回が使った一次情報の利用条件が求める4項目を、出典ごとに全件出しています(4件)。

論文カード: 1-2. 論文カード(一次情報・主たる評価対象=判定の主柱)

著者
Bloom N, Han R, Liang J.(Europe PMC 応答 authorString からの転記)
出典
Hybrid working from home improves retention without damaging performance/Nature/査読済み/第630巻 第8018号 920〜925頁/2024年(オンライン公開 2024-06-12)/DOI: 10.1038/s41586-024-07500-2
ライセンス
CC BY 4.0(Crossref の license(content-version: vor)= https://creativecommons.org/licenses/by/4.0 ・Europe PMC license: cc by・isOpenAccess: Y。全文の permissions「This article is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License」)。商用利用可・出典表記と変更の明示が義務
改変の有無
この回の図解は、原典の図の複製ではなく、原典の表から転記した数値をもとに当方が作図した(転記元: 「令和7年度 テレワーク人口実態調査」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001989230.pdf )(2026年9月28日に利用)を加工して ReeX Japan が作成(本文の業種別の記述から4業種と全体を抜粋。値は資料のまま)。再利用条件は公共データ利用規約 第1.0版(PDL1.0))。原本の出典表記が、原典データを加工して当方が作成した旨を明示している(下の「原本の出典表記」を参照)。

論文カード: 補助A: 在宅勤務と生産性の系統的レビュー(L2)

著者
Hackney A, Yung M, Somasundram KG, Nowrouzi-Kia B, Oakman J, Yazdani A.
出典
Working in the digital economy: A systematic review of the impact of work from home arrangements on personal and organizational performance and productivity/DOI: 10.1371/journal.pone.0274728 / 36223418 / PMC9555618
ライセンス
CC BY 4.0(Crossref vor = by/4.0・全文の permissions「This is an open access article distributed under the terms of the Creative Commons Attribution License」)。商用利用可・出典表記が義務
改変の有無
原本の出典表記が、原典データを加工して当方が作成した旨を明示している(下の「原本の出典表記」を参照)。

論文カード: 補助B: 日本の製造業4社の在宅勤務と生産性(L2)

著者
Kitagawa R, Kuroda S, Okudaira H, Owan H.
出典
Working from home and productivity under the COVID-19 pandemic: Using survey data of four manufacturing firms/DOI: 10.1371/journal.pone.0261761 / 34941956 / PMC8700052
ライセンス
CC BY 4.0(Crossref vor = by/4.0・Europe PMC license: cc by)。商用利用可・出典表記が義務
改変の有無
原本の出典表記が、原典データを加工して当方が作成した旨を明示している(下の「原本の出典表記」を参照)。

データカード: 補助C: 令和7年度 テレワーク人口実態調査(国土交通省・L1)

著者
国土交通省(テレワーク関係府省と連携して毎年実施)
出典
令和7年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果-(令和8年3月)/https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001989230.pdf (2026-09-28 15:05:39 JST・HTTP 200・1,584,530バイト)。索引 https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/telework_index.html (同 HTTP 200)
ライセンス
公共データ利用規約(第1.0版)(PDL1.0)。国土交通省「リンク・著作権・免責事項」(https://www.mlit.go.jp/link.html ・2026-09-28 取得・HTTP 200)に「権利表記の記載がない限り『公共データ利用規約(第1.0版)』(PDL1.0)に準拠した利用条件の下で、利用することができます」。出典の記載と、編集・加工した場合はその旨の記載が義務。商用利用可
改変の有無
原本の出典表記が、原典データを加工して当方が作成した旨を明示している(下の「原本の出典表記」を参照)。

原本の出典表記(読み上げ・画面表示用の文言)

  • 出典: Bloom N, Han R, Liang J. (2024) Hybrid working from home improves retention without damaging performance. Nature 630(8018):920-925. https://doi.org/10.1038/s41586-024-07500-2 (CC BY 4.0・2026年9月28日に利用)を加工して ReeX Japan が作成(要約・抜粋・和訳)
  • 出典: Hackney A, Yung M, Somasundram KG, et al. (2022) Working in the digital economy: A systematic review of the impact of work from home arrangements on personal and organizational performance and productivity. PLOS ONE 17(10):e0274728. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0274728 (CC BY 4.0・2026年9月28日に利用)を加工して ReeX Japan が作成(要約・抜粋・和訳)
  • 出典: Kitagawa R, Kuroda S, Okudaira H, Owan H. (2021) Working from home and productivity under the COVID-19 pandemic: Using survey data of four manufacturing firms. PLOS ONE 16(12):e0261761. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0261761 (CC BY 4.0・2026年9月28日に利用)を加工して ReeX Japan が作成(要約・抜粋・和訳)
  • 出典:「令和7年度 テレワーク人口実態調査」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001989230.pdf )(2026年9月28日に利用)を加工して ReeX Japan が作成
検証の記録(常識検証プロトコル v1.0)
命題化テスト(T1〜T5)
#テスト結果
T1「Xすると Y になる」に書き直せるか通過。「テレワーク(在宅勤務)をすると(X)、仕事の成果(生産性・人事評価)が、出社して働く場合より下がる(Y)」
T2Y が観測できる形になっているか通過。仕事の成果は、人事評価・昇進・書いたプログラムの行数・本人の自己評価(0〜10点)として、在宅した人としなかった人で比べられている
T3一次データ源が存在しそうか通過。在宅勤務をくじで割り振ったランダム化比較試験(L2)、在宅勤務と生産性の研究をまとめた系統的レビュー(L2)、日本の会社の従業員調査の研究(L2)、国のテレワーク人口実態調査(L1)があたりとして立った(§1-1)
T4どちらに転んでも番組になるか通過。→ §1-1 の自己申告を参照
T5YMYL 該当か弱く該当(働き方・雇用)。特定の働き方を勧めない。「記録ではこうなっている」に留める
証拠台帳

```

検証回ID: M10-20261005-01

命題: 「テレワーク(在宅勤務)をすると、仕事の成果(生産性)が、出社して働く場合より下がる」

命題の出所: 日立ソリューションズ「第12回 テレワークで生産性は下がるのか?正しく対処して生産性を上げる方法」、Slack「テレワークで生産性は下がる?課題と生産性を上げる方法を解説」

判定: 判定保留

判定日: 2026-09-28(JST)

```

#階層種別出典名URL実測日時(JST)HTTP取得方法再利用条件採否採否の理由
1L2ランダム化比較試験Bloom N, Han R, Liang J. Hybrid working from home improves retention without damaging performance. Nature. 2024;630(8018):920-925https://www.ebi.ac.uk/europepmc/webservices/rest/search?query=TITLE:%22Hybrid%20working%20from%20home%20improves%20retention%22&resultType=core&format=json (core)/ https://www.ebi.ac.uk/europepmc/webservices/rest/PMC11208135/fullTextXML (全文)2026-09-28 15:02:51(core)・15:03:17(全文)200・200curl → Europe PMC REST API(core JSON・全文 XML)・Crossref API(license)CC BY 4.0(Crossref vor・Europe PMC・全文の permissions で一致)採用(判定の主柱)命題の X(在宅勤務)をくじで割り振り、Y(人事評価・昇進・プログラムの行数)を2年間比べた、因果を問える唯一の設計
2L2系統的レビューHackney A ほか. Working in the digital economy: A systematic review of the impact of work from home arrangements on personal and organizational performance and productivity. PLoS One. 2022;17(10):e0274728https://www.ebi.ac.uk/europepmc/webservices/rest/PMC9555618/fullTextXML2026-09-28 15:03:54200Europe PMC REST API(core JSON・全文 XML)・Crossref APICC BY 4.0採用(補助A)37本の研究を、コロナ前(強制でない在宅)とコロナ下(強制の全日の在宅)に分けて向きを数えている。結果が在宅のやり方で分かれることの記録
3L2観察研究(日本の従業員調査)Kitagawa R ほか. Working from home and productivity under the COVID-19 pandemic: Using survey data of four manufacturing firms. PLoS One. 2021;16(12):e0261761https://www.ebi.ac.uk/europepmc/webservices/rest/PMC8700052/fullTextXML2026-09-28 15:04:35200Europe PMC REST API(core JSON・全文 XML)・Crossref APICC BY 4.0採用(補助B)日本の会社で、在宅の日数が多い人ほど生産性の自己評価が下がった記録。命題を支持する向きの L2
4L1公的統計国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果-」https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001989230.pdf2026-09-28 15:05:39200curl → pdftotext -layout(本文の文章から転記)・索引ページ(telework_index.html)を curlPDL1.0(商用可・出典と加工の記載義務)採用(補助C)日本でテレワークをしている人の割合と、業種による偏りの実測。視聴者の母集団(R6)との突き合わせに使う
5L2系統的レビューMutiganda JC ほか. A systematic review of the research on telework and organizational economic performance indicators. Front Psychol. 2022;13:1035310https://www.ebi.ac.uk/europepmc/webservices/rest/PMC9812566/fullTextXML2026-09-28 15:03:54200Europe PMC REST API(全文 XML・要旨を読んだ)・Crossref APICC BY 4.0不採用(R1・R2 の記録のみ)43本の研究(2000年〜2021年5月)。要旨は、テレワークをする人の自己評価の成果は高く、変化の大きさは個人の特徴と組織でのテレワークの広がりに左右される、と書く。成果が自己評価中心で、補助A と向きが重なるため、主な数字には使わない
6L2検索の記録Europe PMC 検索(R1・R2 の式)https://www.ebi.ac.uk/europepmc/webservices/rest/search2026-09-28 15:04:15・15:09:01200・200Europe PMC REST API(lite)—R1・R2 の記録のみ検索式と件数は §1-4
7L4事業者のコラム(出所)日立ソリューションズ「第12回 テレワークで生産性は下がるのか?正しく対処して生産性を上げる方法」https://www.hitachi-solutions.co.jp/wsi/column/c012.html2026-09-28 15:08:08200curl(74,329バイト)転載条件は未確認のため転載せず、1文の引用と見出しとURLの明示のみ採用(出所の確認としてのみ)「テレワークによって生産性が低下する可能性」「なぜテレワークで生産性が下がるのか?」という常識の実在確認。テレワークの仕組みを売る事業者(L4)
8L4事業者のブログ(出所)Slack「テレワークで生産性は下がる?課題と生産性を上げる方法を解説」https://slack.com/intl/ja-jp/blog/productivity/telework-productivity2026-09-28 15:08:06200curl(170,908バイト)転載せず、見出しと1文の引用とURLのみ採用(出所の補助確認としてのみ)同じ問いが事業者の記事の見出しに立っていることの確認。業務チャットの事業者(L4)
反証チェック(R1〜R7)
R#探した対象探した範囲(検索式・DB名・年範囲)結果
R1反対の結論の一次研究(在宅で成果が下がる、を示すもの。主柱が「変わらない」なので、下がる向きを探した)①Europe PMC・(TITLE:"telework" OR TITLE:"teleworking" OR TITLE:"remote work" OR TITLE:"working from home" OR TITLE:"work from home") AND (TITLE:"productivity" OR TITLE:"performance") AND (TITLE:"systematic review" OR TITLE:"meta-analysis" OR TITLE:"randomized" OR TITLE:"experiment")(3件) ②(TITLE:"working from home" OR TITLE:"work from home" OR TITLE:"telework" OR TITLE:"remote work" OR TITLE:"teleworking" OR TITLE:"work-from-home") AND (TITLE:"productivity") AND PUB_YEAR:[2020 TO 2026](50件・表題をすべて読んだ) ③(TITLE:"hybrid" OR TITLE:"remote work" OR TITLE:"telework" OR TITLE:"working from home" OR TITLE:"work from home" OR TITLE:"work-from-home") AND (ABSTRACT:"productivity" OR ABSTRACT:"performance") AND (PUB_TYPE:"review" OR PUB_TYPE:"systematic-review" OR ABSTRACT:"randomized" OR ABSTRACT:"randomised") AND PUB_YEAR:[2023 TO 2026](440件・関連度順の上位100件の表題を読んだ)下がる向きの L2 はある。 台帳#3(日本の4社・22,815人)は、在宅の日数が多い人ほど生産性の自己評価が下がった。台帳#2 はコロナ下の13本中5本が「下がった」。台帳#1 の著者も、完全在宅の因果研究はおおむね負の影響を見つけてきたと書く(原典は未確認)。ただし、いずれも「強制」「全日」「準備なし」の在宅で、週2日のハイブリッドをくじで割り振った台帳#1 とは X が違う。同じ X(週2日のハイブリッド)で下がったとする実験は見当たらなかった
R2より新しい/より大きい研究R1 の②③の2023年以降分。台帳#5(2022年・43本)台帳#1(2024年)より新しい、在宅勤務と成果の合算やランダム化比較試験は、③の上位100件には見当たらなかった。 2025〜2026年の該当は、孤立感のレビュー・日本の完全在宅の会社の観察研究・在宅勤務者への筋トレの試験などで、在宅と出社の成果を比べたものではない。台帳#5(43本)は台帳#2 と同じ向き(自己評価の成果は高い・やり方と個人で変わる)
R3撤回・取消・訂正Europe PMC の commentCorrectionList(台帳#1・#2・#3・#5)撤回・訂正の記載は無い(4本とも None)
R4測っていた指標のすり替え命題の Y(「生産性」「仕事の成果」)と、台帳#1〜#3 が測った Y を並べて確認該当あり(3つ)。 ①台帳#1 は人事評価・昇進・プログラムの行数で、会社の売上や1時間当たりの付加価値ではない。②台帳#3 は本人の自己評価(0〜10点)の前後の差で、しかも前の値は3社で思い出して答えたもの。③台帳#2 の37本は、調査票 62%・聞き取り 22%・実験 16%で、「生産性」の中身が研究ごとに違う。「生産性」という同じ言葉で、別々のものを測っている。第18話の「労働生産性」(国全体の GDP ÷ 労働時間)とも別物
R5資金源台帳#1〜#3 の Funding・Competing interests、出所#7・#8 の発行者台帳#1 は、著者の1人が実験を行った会社の共同創業者・現会長で株式を持つ。 会社からの資金は無く、論文は誰の事前確認も受けていない、と書く。人事データを会社側が持つ設計で、この利害は番組で明示する。台帳#2 の資金源は本話で転記していない。台帳#3 は文部科学省の科研費。出所#7 はテレワークの仕組みを売る事業者、出所#8 は業務チャットの事業者で、どちらもテレワークの話題に利害がある(L4 として根拠に使っていない)
R6母集団のズれ台帳#1・#3 の対象者と、台帳#4 の日本の働く人を突き合わせズれは3つ。 ①台帳#1 は中国の IT・旅行の大企業の大卒の事務・技術職で、日本の平均的な職場ではない。②台帳#4 では、日本でテレワークをしたことがある雇用者は25.2%、直近1年間では16.8%で、業種で74.1%(情報通信業)から6.0%(宿泊業・飲食業)まで開く。そもそも在宅ができない仕事が多い。③台帳#3 は日本だが2020年4〜6月の緊急事態宣言下で、学校や介護施設が閉まり、準備なしに在宅に移った時期。いまの日本の在宅とは条件が違う
R7生存者バイアス/出版バイアス台帳#1 の割り付けと離職、台帳#2 の研究の型、台帳#3 の回答率該当あり。 ①台帳#1 は辞めた人の評価が残らないが、辞めたのはハイブリッド群のほうが少なく、対照群の離職率は実験前の同じ部門(9.8%)より低かったと書く。②台帳#2 のコロナ前の研究は、在宅を選べた人・会社が中心で、うまくいった人が残って測られた可能性がある。③台帳#3 は回答率43〜91%で、答えなかった人の変化は分からない。④台帳#2 は出版された研究だけのまとめ
判定理由

判定: 判定保留

命題「テレワーク(在宅勤務)をすると、仕事の成果(生産性)が、出社して働く場合より下がる」について。

理由(3つ):

  1. 在宅のやり方によって、L2 が逆の向きを指している。 週2日の在宅をくじで割り振った台帳#1(1,612人・CC BY)では、2年間・4回の人事評価に差が無く(同等性の検定で ±0.5 より小さい)、昇進・プログラムの行数にも差が無かった。一方、緊急事態宣言のもとで準備なしに在宅に移った日本の4社(台帳#3・22,815人・CC BY)では、在宅の日数が多い人ほど生産性の自己評価が下がった。
  2. 研究をまとめても、向きはやり方で割れる。 台帳#2(37本・CC BY)で、コロナ前(強制でない在宅)は24本中19本が「上がった」、コロナ下(強制の全日の在宅)は13本中5本が「下がった」。著者自身が「強制で全日だと、生産性を損なうこともある」と書く。
  3. 命題の X(テレワーク)と Y(生産性)が、それぞれ1つに決まらない。 X は週2日のハイブリッドから完全在宅まで、Y は人事評価・自己評価・行数まで、研究ごとに違う(R4)。完全在宅をくじで割り振った研究の値には、本話は当たれていない(未確認)。

プロトコル §4-3 の判定保留の条件のうち「母集団がズれている」に当たる(週2日のハイブリッドの中国の1社と、準備なしの全日の在宅の日本の4社で、X も母集団も違う。R6)。支持の条件「R1〜R7 を通しても覆らない」は、台帳#3 と台帳#2 のコロナ下の結果で満たせず、不支持の条件「支持側が L4/L5 に留まる」も、台帳#3(L2)があるため満たさない。したがって判定保留とする。

保留の中で言えること(必ず添える限界つき):

  • 週2日の在宅なら、人事評価は下がらなかった(1社・中国・大卒の事務と技術職の実験。週1日以下の出社に当てはまるかは著者も分からないと書く)。
  • 準備なしの全日の在宅では、自己評価の生産性が下がった(日本の2020年・自己評価・思い出しの誤差あり)。下がった理由は、在宅の環境と連絡の難しさだった。
  • 「テレワーク」とひとまとめにした問いには、今ある記録では答えられない。

支持にしない理由: 下がる向きの L2(台帳#3・台帳#2 のコロナ下)は、強制・全日・準備なしの在宅に限られる。くじで割り振った実験(台帳#1)では下がっていない。

不支持にしない理由: 下がらなかった実験は週2日のハイブリッドの1社だけで、完全在宅は調べていない。完全在宅の因果研究はおおむね負だった、と台帳#1 の著者自身が書いている。

この回で言わないこと(YMYL・働き方):

  • 「テレワークにすべき」「出社に戻すべき」と言わない。仕事の中身も家の環境も、人と会社によって違う。
  • 特定の会社の働き方の良し悪しを言わない。実験を行った会社と出所#7・#8 の事業者名は台帳にだけ書き、台本と記事では出さない(台帳#1 の利害は「会社の会長が著者の1人」として明示する)。

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