リクエストや不具合の報告はこちらから
シューカンアカデミア
睡眠9/26(土) ・ スイ公開中

その習慣、本当に合ってる?

日本人の睡眠、
世界最短は〇〇!?

比べられる33か国の中で、日本人の睡眠はいちばん短かった。ただし2位の国との差は、調べ方を少し変えるだけで動くくらいの小さな差だった。たとえば、クラスで一番足がおそいと言われても、2番目の子との差が、計る人のストップウォッチの押し方で変わるくらい、というようなもの。

だれ・何を調べた?OECDという国際団体が、33の国と地域の「1日の時間の使い方」を分単位で並べた表(15〜64歳が中心)。その中の睡眠の行を使う。日本のもとの数字は、総務省が2016年に集めたもの。
何がわかった?日本の睡眠は444分(7時間24分)で、比べた33か国の中でいちばん短かった。2位の韓国との差は27分。最新の2021年は7時間54分で、2016年より14分のびた。たとえば、33人で睡眠時間を比べたら日本がいちばん短かったけれど、2番目とは少ししかちがわなかった、という感じです。
まだわからないこと調査した年は国ごとに1998年から2019年までばらばらで、同じ年に測った表ではない。日本の同じ年の調査でも、調べ方を変えると13分動く。65歳以上は対象外。たとえば、クラスごとにちがう年にテストをして、それを並べて順位をつけているようなもので、ぴったり同じ条件ではない、ということです。
専門的に言うと(原典どおりの記録)

「日本人は世界でいちばん睡眠時間が短い」の元は、OECD が33の国と地域の生活時間調査を1枚に並べた表で、日本は総数・男性・女性のどの並べ方でも末尾(15〜64歳・1日444分=7時間24分・2016年の調査)。ただし調査年は国ごとに1998年から2019年までばらばらで、2位の韓国との差27分は、日本の同じ年の同じ調査で調査票を変えただけで動く13分と同じ桁。日本の最新の2021年は5年前より14分増えている

対象
33の国と地域の15〜64歳(オーストラリアは15歳以上、中国は15〜74歳、リトアニアは20〜64歳)。調査年は国ごとに 1998/99〜2019年。日本は2016年調査(約8万8千世帯・10歳以上約20万人が対象、調査票Aの集計約19万人。10月の指定された連続2日を15分単位で記録)
効果
1日の睡眠は日本 444.1分(7時間24分)で33か国・地域の最短。2位は韓国 471.4分(差27分)、3位スウェーデン 482.7分、最長は南アフリカ 553.1分。男性(日本 449.7・韓国 471.5)でも女性(日本 438.0・韓国 471.2)でも日本が末尾。日本の同じ調査の2021年は10歳以上で7時間54分と2016年(7時間40分)から14分増えた
限界
「世界」ではなく OECD が並べた33か国・地域の比較で、調査年は国ごとにばらばら。日本の値は調査票A(20種類から主な行動を一つ選ぶ)の値で、同じ2016年の調査票B(90種類に分類)では睡眠 473分と13分長い。年齢の範囲(15〜64歳と10歳以上)でも16分動く。表は15〜64歳で65歳以上には当てはまらず、2021年の15〜64歳の値は未確認
見立
33か国の中で日本が最短であることは、総数・男性・女性の3通りで原典から確かめられ、より新しい統計でも順位を覆す数字は出なかった。ただし2位との差27分は、同じ日本の同じ年で調査票を変えただけで動く13分と同じ桁で、「大差で最短」とは読めない。なぜ短いか、短いと何が起きるか、何時間寝ればよいかは、この統計にはない

図で読む

動画で使った図解を、スイとミチの会話つきで。1枚ずつ読めば、要点が順に分かります。

ポイント①

図1

33か国の「睡眠」を短い順に並べると?

〈33か国の中でいちばん短い〉のが日本の444分(7時間24分)。2位の韓国との差は27分。
ミチ

ミチ: そもそも、OECDって何ですか? 聞いたことはあるんですけど。

スイ

スイ: 経済協力開発機構のことです。いろんな国が集まって、くらしのデータを持ち寄っている団体だと思ってください。その「睡眠」の行を、短い順に読みます。日本、444分。韓国、471分。スウェーデン、483分。

ミチ

ミチ: 444分。分かりません。時間にすると。

スイ

スイ: もっと分かりやすく言うと、7時間24分。韓国が7時間51分、スウェーデンが8時間3分。日本と韓国の差が27分。

ミチ

ミチ: 33か国の中で、日本がいちばん短いんですね。

ポイント

33か国の中でいちばん短いのが日本の444分(7時間24分)。2位の韓国との差は27分。

ポイント②

図2

その表は、同じ年に測ったもの?

調査年は1998/99年(インド)から2019年(米国)まで、約20年の幅がある。〈同じ年に同じ方法で測った表ではない〉。
スイ

スイ: 今日の質問はここからです。それ、統計ではどこまで言えてます? この表の日本の数字は、いつ、誰が、どう測ったものか。

ミチ

ミチ: いつ、ですか?

スイ

スイ: 表には「調査年」の行があります。日本は2016年。韓国は2014年。デンマークは2001年。インドは1998年から99年。アメリカは2019年。

ミチ

ミチ: ばらばらですね……全部同じ年じゃないんですか?

スイ

スイ: 20年の幅があります。同じ年に同じ方法で測った表ではなくて、各国が自分の調査で出した数字を、OECDが1枚に並べたものです。

ポイント

調査年は1998/99年(インド)から2019年(米国)まで、約20年の幅がある。同じ年に同じ方法で測った表ではない。

図3

日本の睡眠時間は、その後どう動いた?

日本の最新(2021年・10歳以上)は7時間54分で、2016年から14分増えた。男女とも、2001年からの20年間でいちばん長い値になった。〈OECDと同じ年齢の切り方の値はまだ確かめられていない〉。
スイ

スイ: 探しました。同じ調査の最新は2021年。10歳以上の睡眠時間は7時間54分。2016年から14分増えています。

ミチ

ミチ: 増えたんですか? てっきり、ずっと減っていると思ってました。

スイ

スイ: そうなんです。この調査をしている国の役所(総務省統計局)も「減っていたのに増えた」と発表しました。男性は7時間45分から7時間58分、女性は7時間35分から7時間49分に増えました。2001年からの20年間で、今がいちばん長い値です。

ミチ

ミチ: じゃあ、その2021年の数字を、さっきの33か国の表に入れ直したら?

スイ

スイ: それができません。OECDの表は15歳から64歳。日本の2021年の発表は10歳以上。同じ切り方の数字は、まだ確かめられていません。

ポイント

日本の最新(2021年・10歳以上)は7時間54分で、2016年から14分増えた。男女とも、2001年からの20年間でいちばん長い値になった。OECDと同じ年齢の切り方の値はまだ確かめられていない。

ポイント③

図4

2位との差27分は、どれくらい確かな差?

同じ日本の同じ2016年の調査でも、調べ方を変えるだけで13分動く。うたたねや療養も足すと18分に広がる。〈2位との差27分は、測り方で出る幅と同じ桁〉。
スイ

スイ: 今日いちばん大事なところです。この調査には書き方が2種類あります。調査票Aは20種類から一つ選ぶやり方。調査票Bは同時の行動も書いてもらい、あとで90種類に分ける細かいやり方。OECDの表にあるのは調査票Aのほうです。

ミチ

ミチ: 2種類。分かりません。同じ人の同じ1日を測ってるのに、答えが変わるんですか?

スイ

スイ: もっと分かりやすく言うと、変わります。2016年、同じ年の同じ調査で、調査票Aの睡眠は460分。調査票Bの睡眠は473分。13分の差です。

ミチ

ミチ: 療養も足すんですか? 療養って、病気で休むことですよね。なぜ睡眠の数字に入れるんですか?

スイ

スイ: たとえば、うたたねも療養も、布団やベッドで休んでいる時間です。調査ではまとめて「睡眠関連」と呼びます。うたたね1分と療養4分を足すと、差は18分まで広がります。調査票を変えただけで動く13分から18分は、日本と韓国の差27分の半分前後です。

ポイント

同じ日本の同じ2016年の調査でも、調べ方を変えるだけで13分動く。うたたねや療養も足すと18分に広がる。2位との差27分は、測り方で出る幅と同じ桁。

図5

表の日本の値は、誰の何日を測ったもの?

OECDの表は15〜64歳で、65歳以上には当てはまらない。日本の値は10月のたった2日間の記録で、1年の平均ではない。〈答えなかった約1万人の睡眠は分かっていない〉。
ミチ

ミチ: その表の日本の数字は、視聴者と同じような人が対象なんですか?

スイ

スイ: 表は15歳から64歳です。65歳以上は入っていません。年齢の高い人ほど、睡眠は長い傾向があります。だから65歳以上には、この順位はそのまま当てはまりません。この2016年の調査は、10歳以上の約20万人が対象でした。

ミチ

ミチ: 20万人。全員の答えが表に入っているんですか? 記録は1年分ですか?

スイ

スイ: 全員ではありません。答えて集計に残ったのは約19万人。残りの約1万人の睡眠は、統計には書いていません。記録したのも10月のたった2日間で、1年の平均ではありません。

ポイント

OECDの表は15〜64歳で、65歳以上には当てはまらない。日本の値は10月のたった2日間の記録で、1年の平均ではない。答えなかった約1万人の睡眠は分かっていない。

まとめ(つまり、どう考える?)

33か国の中でいちばん短いのは確からしい。ただし2位との差27分は、調べ方を変えただけで動く幅と同じくらいで、大差とは言えない。なぜ短いかは分からない。

Xで共有LINEで送る
記事の全文を読む

「日本人は世界一睡眠が短い」の元の表を開いたら、比べていたのは33か国で、2位との差は測り方で出る幅と同じだった

「日本人は、世界でいちばん睡眠時間が短い」。厚生労働省が2024年2月に出した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、冒頭で「令和3年のOECD(経済協力開発機構)の調査報告でも、日本人の平均睡眠時間は調査対象33カ国の中で最も短かった」と書いている。番組は、その注に記されたOECDの表計算ファイルを原典で開いた。

表はOECDの「ジェンダー・データ・ポータル」2021年版「世界の生活時間」。33の国と地域について、1日の時間の使い方を分単位で並べたものだ。「睡眠」の行を短い順に読むと、日本444分(7時間24分)、韓国471分(7時間51分)、スウェーデン483分。長い側は南アフリカ553分、中国542分、アメリカ531分。33か国の単純平均は508分で、日本はそれより64分短い。男性だけでも女性だけでも、日本が末尾で次が韓国だった。

ここまでは命題のとおりだ。番組が確かめたのは、その数字がいつ、どう測られたかである。表の「調査年」の行は、日本2016年、韓国2014年、デンマーク2001年、インド1998年から99年、アメリカ2019年と、20年の幅がある。同じ年に同じ方法で測った表ではなく、各国の調査を1枚に並べたものだ。

日本の値の元は、総務省の社会生活基本調査(2016年・約20万人が対象)。OECDが載せたのは15歳から64歳の平均で444分、統計局が自ら発表する10歳以上の平均は460分。年齢の切り方だけで16分動く。同じ調査には調査票が2種類あり、20種類の行動から一つを選ぶ調査票Aの睡眠が460分、あとから90種類に分類する調査票Bの睡眠は473分。同じ年の同じ調査で、調査票を変えただけで13分違う。2位の韓国との差27分は、この幅と同じ桁である。

より新しい数字も探した。同じ調査の2021年は、10歳以上で7時間54分。2016年から14分増え、統計局は「減少傾向で推移していた睡眠時間が増加に転じる」と見出しを付けた。男女とも2021年が過去20年でいちばん長い。ただし15歳から64歳の値は概要に無く、表に置き直すことはできない。順位を覆す記録は、探した範囲では出なかった。同じ指針が引く令和元年の国民健康・栄養調査では、睡眠6時間未満の割合が男性37.5%、女性40.6%だが、これは本人が答える別の測り方で、番組は平均だけを検証した。

判定は支持。日本は、OECDが並べた33か国の中で、総数・男性・女性のどの並べ方でも最短だった。ただし「世界で」ではなく「33か国の中で」、調査年は国ごとにばらばら、2位との差は測り方で出る幅と同じ桁で、表は15歳から64歳に限られる。なぜ短いのか、短いと何が起きるのか、何時間寝ればよいのかは、この統計にはない。

出典・研究の限界・ライセンス表示

この回の一次データは公的統計です。学術論文の論文カードはありません。

出典表示(ライセンス表示義務)

この回が使った一次情報の利用条件が求める4項目を、出典ごとに全件出しています(4件)。

データカード: 1-2. データカード(一次情報・主たる評価対象=判定の主柱)

著者
OECD(経済協力開発機構)。各国の公的な生活時間調査の値を OECD が集計・整理したもの(「Activity categories & sources」シートに国ごとの原調査名と行動分類の対応が記されている。日本は「Survey on Time Use and Leisure Activities」=社会生活基本調査、2016年、15〜64歳)
出典
OECD Gender Data Portal「Time use across the world」2021年版(Read me シートの表題: 「OECD / Gender data portal / 2021 / Time use across the world / Average minutes spent in different activities (both weekdays and weekends)」)。33の国と地域について、1日の平均の使い方を分単位で「Paid work or study」「Unpaid work」「Personal care」(内訳に「3.1 sleeping」)「Leisure」「Other」に分けて並べた表/https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/topics/policy-issues/gender-equality/oecd_1564_tusupdateportal.xlsx (2026-09-19 02:15 JST・HTTP 200・209,083 バイト。旧URL https://www.oecd.org/gender/data/OECD_1564_TUSupdatePortal.xlsx からの 301 転送先)
ライセンス
OECD Terms and Conditions(2024年7月1日改定)「3. Data – Permitted Use」([引用]・第13話で本文を転記済み)「you can extract from, download, copy, adapt, print, distribute, share and embed Data for any purpose, even for commercial use. You must give appropriate credit to the OECD by using the citation associated with the relevant Data」。商用利用可・出典表記義務。規約ページ自体は本日も curl・WebFetch とも 403(第13話と同じ。アプリ内ブラウザでは 200 だった実績あり)
改変の有無
この回の図解は、原典の図の複製ではなく、原典の表から転記した数値をもとに当方が作図した(転記元: OECD Gender Data Portal「Time use across the world」(2021年版・https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/topics/policy-issues/gender-equality/oecd_1564_tusupdateportal.xlsx ・2026-09-19 に利用)「3.1 sleeping」の行を抜粋して ReeX Japan が作成。日本の値の元は総務省「社会生活基本調査」2016年)。

データカード: 「3.1 sleeping」の行(1日当たりの分・15〜64歳・平日と週末を含む平均・Total シートからの転記、短い順)[1枚目]

著者
総務省統計局(統計法に基づく基幹統計「社会生活基本統計」を作成するための基幹統計調査。昭和51年から5年ごと・2021年が10回目)
出典
総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」(2022年8月31日公表・PDF)および「平成28年社会生活基本調査 生活時間に関する結果 結果の概要」(PDF)/2021年 https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf(02:13 JST・200・1,113,353 バイト)/2016年 https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf(02:18 JST・200)
ライセンス
公共データ利用規約(第1.0版)PDL1.0(統計局ホームページ「サイトの利用について」に明記。出典表示のうえ複製・公衆送信・翻訳・変形等の利用が可能。商用利用可)
改変の有無
原稿に、この出典に対する当方の扱いの記録が無い(ライセンス欄に扱いの明記が無く、出典表記にも加工の宣言が無い)。

データカード: 「3.1 sleeping」の行(1日当たりの分・15〜64歳・平日と週末を含む平均・Total シートからの転記、短い順)[2枚目]

著者
総務省統計局
出典
総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 詳細行動分類による生活時間に関する結果 結果の概要」(調査票B・PDF)/2016年 https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou3.pdf(02:18 JST・200)/2021年(分類一覧の転記元)https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoub.pdf(02:18 JST・200。2021年の概要には睡眠の主行動の表が無く、2021年の調査票Bの睡眠時間は未確認)
ライセンス
同上(PDL1.0)
改変の有無
原稿に、この出典に対する当方の扱いの記録が無い(ライセンス欄に扱いの明記が無く、出典表記にも加工の宣言が無い)。

データカード: 「3.1 sleeping」の行(1日当たりの分・15〜64歳・平日と週末を含む平均・Total シートからの転記、短い順)[3枚目]

著者
厚生労働省(指針。統計ではないため数値の根拠には使わず、命題の出所と R3 の記録にのみ使う)
出典
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」(令和6年2月・PDF)/https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf(02:17 JST・200・6,401,109 バイト)
ライセンス
公共データ利用規約(第1.0版)PDL1.0(厚生労働省ウェブサイト「利用規約」に明記。出典表示のうえ商用利用可)
改変の有無
原稿に、この出典に対する当方の扱いの記録が無い(ライセンス欄に扱いの明記が無く、出典表記にも加工の宣言が無い)。

原本の出典表記(読み上げ・画面表示用の文言)

  • OECD Gender Data Portal「Time use across the world」(2021年版)。OECD が各国の生活時間調査を集計したもの。日本の値は総務省「社会生活基本調査」2016年(15〜64歳)
  • 総務省統計局「社会生活基本調査」2016年・2021年 結果の概要(10歳以上・週全体)
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」(命題の出所)
検証の記録(常識検証プロトコル v1.0)
命題化テスト(T1〜T5)
#テスト結果
T1「Xすると Y になる」に書き直せるか通過。「日本に住む人の1日の睡眠時間は、国どうしを比べられる統計の中で、他のどの国よりも短い」(X=日本に住む人、Y=比較統計の中で睡眠時間が最短)。世間の言い方「世界でいちばん」は、世界全体を測った統計が存在しないため「比べられる統計の中で」に書き直した
T2Y が観測できる形か通過。各国の生活時間調査が「睡眠」に使った1日の分数を報告しており、OECD がそれを1枚の表に並べている
T3一次データ源が存在しそうか通過。OECD Gender Data Portal「Time use across the world」(xlsx・33の国と地域)と、総務省統計局「社会生活基本調査」(2016年・2021年の結果の概要 PDF)。いずれも機械取得できた(§1-3)
T4どちらに転んでも番組になるか通過。支持なら「本当に最短だった。では何分短くて、その差はどこから来るのか」の回。不支持なら「最短ではなかった。では誰が最短で、日本はどこにいるのか」の回
T5YMYL 該当か該当(健康)。§8 を適用。本話は統計の記述に留め、睡眠時間の長短と健康の関係・個別の助言・商品には触れない
証拠台帳
#階層種別出典名URL取得日時(JST)HTTP取得方法再利用条件採否用途
1L1国際機関の統計集計OECD Gender Data Portal「Time use across the world」2021年版(xlsx・Total/Men/Women/Activity categories & sources/Read me)https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/topics/policy-issues/gender-equality/oecd_1564_tusupdateportal.xlsx2026-09-19 02:15200(旧URLから301)curl -L → openpyxlOECD Terms and Conditions(商用利用可・出典表記義務)採用判定の主柱1。33か国・地域の「sleeping」の順位と調査年
2L1公的統計(基幹統計)総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf02:13200curl → pdftotextPDL1.0採用主柱2。2021年の睡眠時間・2016年比・20年推移・テレワーク別・調査の設計
3L1公的統計総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 生活時間に関する結果 結果の概要」https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf02:18200同上PDL1.0採用2016年の値(OECD の日本の元)と 2011年比・調査対象の人数
4L1公的統計総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 詳細行動分類による生活時間に関する結果 結果の概要」(調査票B)https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou3.pdf02:18200同上PDL1.0採用R4。同じ年の別の調査票による睡眠 473分
5L1公的統計総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 詳細行動分類による生活時間に関する結果」https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoub.pdf02:18200同上PDL1.0採用(定義の転記のみ)「411 睡眠」の定義。2021年の睡眠の主行動の表は概要に無い
6L3公的機関の指針(命題の出所)厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf02:17200curl → pdftotextPDL1.0採用(出所)命題の出所。OECD 33か国の記述と注12
7L3検討会資料厚生労働省「第3回 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会 資料1」(令和5年12月21日)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf02:17200同上PDL1.0不採用出所の候補として開いたが、OECD への言及が無かった
8L1国際機関の統計OECD Data Explorer「Time use」(DSD_TIME_USE@DF_TIME_USE・SDMX CSV・525行)https://sdmx.oecd.org/public/rest/data/OECD.WISE.INE,DSD_TIME_USE@DF_TIME_USE,1.0/all?format=csvfilewithlabels02:14200curl → csvOECD Terms and Conditions不採用(R2 の記録のみ)新しいデータベースは「Personal care」(日本 640分)までで「sleeping」の行が無く、調査年の列も無い
9L1国際機関の規約OECD「Terms & Conditions」(2024年7月1日改定)https://www.oecd.org/en/about/terms-conditions.html02:19403(curl・WebFetch)取得不可。第13話(2026-09-11・アプリ内ブラウザで200)の転記を再利用(規約そのもの)採用(条件確認・既確認)「Permitted Use」の根拠
反証チェック(R1〜R7)
#探す対象探した範囲と結果
R1反対の結論の一次研究OECD の表(#1)の総数・男性・女性の3シートで「sleeping」の全33値を読み、日本より小さい値が無いことを確かめた。日本以外を最短とする公的な国際比較の表は本話で見つけていない。出なかった
R2より新しい/より大きい研究①日本の同じ調査の最新(2021年・#2): 10歳以上で7時間54分、2016年から14分増。ただし OECD と同じ15〜64歳の値は未確認。②OECD の新しいデータベース(#8): 「Personal care」(日本 640分)までで睡眠の内訳が無い。③OECD の表の日本の値は2021年版でも2016年のまま。順位を覆す数字は出なかった。「差が縮まりうる」ところまで
R3撤回・取消・行政処分OECD の Read me に 2019・2020・2021 の更新記録があり、撤回・取り下げの記述は無い。厚労省の指針(#6)は現行のまま。無し
R4測っていた指標のすり替えあり(重要)。①命題の「世界」に対し、表は33の国と地域。②各国の調査年が 1998/99〜2019 とばらばらで、同じ年に同じ方法で測った表ではない(表の注にオーストラリアの年齢の違いが明記)。③日本の値は調査票A(20種類の行動から主なもの一つ・15分単位)の値で、同じ2016年の調査票B(主行動と同時行動を90種類に分類)では睡眠 473分、睡眠関連 478分。調査票Aの10歳以上 460分との差は 13分・18分。2位の韓国との差 27分は、この幅と同じ桁。④年齢の範囲(15〜64歳 と 10歳以上)で 16分動く
R5資金源OECD の表は加盟国等の公的統計の集計、総務省の調査は基幹統計、厚労省の指針は国の文書。結論の利害関係者は見当たらない。睡眠関連商品の広告が同じ数字を使っているが、それは出所であって根拠ではない。無し
R6母集団のズれあり。表は15〜64歳で、65歳以上は入っていない。日本の10歳以上の平均は15〜64歳より16分長い。65歳以上の視聴者にこの順位はそのまま当てはまらない。また調査対象は「10月の指定された連続2日」の記録で、年間の平均ではない
R7生存者バイアス/出版バイアス社会生活基本調査は無作為に選ばれた世帯の記録で、回答した人だけが集計に残る(2021年: 対象約19万人のうち集計は約18万人)。睡眠が極端に短い人・長い人が回答しにくいかは統計に書いていない。仮説として記録
判定理由

判定: 支持

理由(3つ):

  1. 命題の出所(厚労省の指針)が引いた OECD の表を原典で開き、日本が33の国と地域の末尾にあることを、総数(444.1分)・男性(449.7分)・女性(438.0分)の3通りで確かめた。2位は3通りとも韓国で、差は総数で27分。証拠の階層は L1(各国の公的統計の集計)
  2. R2 でより新しい統計(日本の2021年・OECD の新データベース)を探したが、順位を覆す数字は出なかった。出たのは「日本の2021年は5年前より14分増えた(10歳以上)」までで、OECD と同じ年齢の切り方では未確認
  3. 表の元になった日本の値は、国の基幹統計(2016年・対象約20万人・調査票Aの集計約19万人)の記録で、L1 として十分に強い

支持の範囲(必ず添える限界):

  • 「世界でいちばん」ではなく「OECD が並べた33の国と地域の中で」。世界の国の大半はこの表に無い
  • 調査年は国ごとに 1998/99〜2019 とばらばら。日本の値は2016年
  • 2位との差 27分は、日本の同じ年の同じ調査で調査票を変えただけで動く 13分(睡眠関連なら18分)と同じ桁。「大差で最短」と読むのは統計の読み過ぎ
  • 15〜64歳の表であり、65歳以上には当てはまらない

不支持ではない理由: 反証側に L1/L2 の「日本より短い国がある」という記録は無い。R4 の指摘は「差が測り方で動く」ことを示すが、逆転を示してはいない。

保留にしない理由: 支持側の証拠は L1 で、母集団のずれ(年齢)は命題の主語「日本に住む人」の主要部分(15〜64歳)を覆っている。YMYL §8-4「決着が付かないものを無理に決着させない」に照らしても、本話の決着は「表の中の順位」に限定した記述であり、健康上の結論を含まない。

← おすすめへ戻る

日本人の睡眠、世界最短は〇〇!? | シューカンアカデミア